ストーリー
本作は、バットマンシリーズに登場する悪の帝王ジョーカーの起源を描いた作品である。
主人公であるアーサー・フレック(演:ホアキン・フェニックス)は、自分自身も含めた社会の弱者たちが疎外され、追い詰められる日々を生きている。親との関係に悩み、薬物による治療に頼り、スタンダップコメディアンとしての夢に燃えながらも、次第に社会不適合者の道を歩んでいく。
周囲から次第に孤立していくなか、アーサーの心はゆがんでいく。やがて、ジョーカーへと変貌を遂げる。
演技力
ホアキン・フェニックスが演じるアーサー・フレック(ジョーカー)は、何度も心の変化を繰り返す役どころであり、とても難しい役割であったと思う。しかし、フェニックスはその役を見事に演じ切っている。特に、ジョーカーになるためのステップを一歩一歩丁寧に描いた演技は素晴らしい。
また、他の俳優陣も見事な演技を見せている。ロバート・デ・ニーロはトークショーの司会者として冷静でプロ意識がある演技を、ゾア・デュエッグはアーサーの同僚として優秀な演技を見せている。
映像・音楽
本作の映像は、暗く重苦しい雰囲気が漂い、アーサー・フレックの心理状態を上手く表現している。撮影のビハインドシーンでも、暗い色調を重視し、すべてのシーンが夜に撮影されたことが見て取れる。
音楽についても、物語の雰囲気を演出するために、使用される楽曲はシリアスで、荒々しく不安を煽るようなものである。音楽と映像が上手く合わさり、よりストーリーの世界に引き込まれる。
まとめ
本作は、ジョーカーの誕生について描かれた作品であり、その内容は重厚で暗いものである。主人公アーサー・フレックが、悪の道に堕ちていく様を描いたストーリーは、見る者に何かを問いかけるものがある。
演技、映像、音楽など、全てが完成度が高く、最後まで見る者を引き込む。ホアキン・フェニックスのジョーカーは、これまでのジョーカー像とは異なり、新たな逸材といえるだろう。
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