「君の膵臓をたべたい」のレビュー

あらすじ

高校生の僕は、同じクラスの山野を介して、”もう長く生きることは決まっている”と告げられる。彼女は膵臓に腫瘍が見つかり、余命数ヶ月と医師に宣告されていた。山野の残された時間を、互いにファイルに書き溜めた考え事や言葉を口にすることで過ごすことで創り上げられる二人という関係が、読者には感動を与えてくれる。

演出

この映画は、本編終了後からマイナス点がある。授業中の会話シーンは、学生たちの反応がリアルに描写されているかのようだが、学年優秀者の「代替案を出しましょう」という発言の言い間違いに気づかず、やんわりと反論する山野が興ざめとなる。逆に山野の騒動を知り挙動不審になるグループの描写は、適度な恐怖を生み出している。

ストーリー

山野の病気が明らかになるまでのファイル共有のやり取りや家族・友人たちとの交流、最後に二人で膵臓のものを食べるシーンなどが特に印象に残った。友情についての描写は、誰にでも有りそうなような生々しいものであり、この映画の中で圧倒的に強烈なエモーショナルシーンを演出する。

キャスト

山崎賢人は、主人公の声を担当し、渡辺直美は母親役を演じる。彼らは見事に役を演じ、観客の同情や共感を引き出す。山崎賢人が声優を担当しているというのは、リアルに考えると深い納得感がある。

総括

感情移入しやすい作品であり、観客は主人公を通して深く身を置いて感情移入する。ストーリーの展開は、観客の感情を大きく揺さぶり、最後まで心安らぐエンディングを迎えることができる。しかし、演出面では、一部不自然な点や弱点があり、場面転換がスムーズでなかったためツッコミどころも見受けられた。それでも、この映画が持つ深いテーマに引き込まれることは間違いない。


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