あらすじ
中学生の僕は、同級生である山内桜良と共に膵臓癌で余命わずかな彼女が自分で書いた“共病文庫”に触れる中、人生の意味を考えるうちに恋心が芽生えていく。そして、死を受け入れ、思い出を共有する日々が始まる。
感想
本作は「ラブストーリー」と肩書きされることが多いが、実際には多層的な作品であると感じた。
物語の中心となる“共病文庫”は、山内桜良が自分だけの意味を込めて記した言葉の数々が詰まっている。そして、それを通して人生や愛、家族のあり方など、深い哲学的テーマを掘り下げている。また、膵臓癌という終末疾患というテーマも取り上げられ、死と向き合うことの難しさが描かれている。登場人物たちが抱える思いや葛藤、それらを通して描かれる人間ドラマは、感情移入して涙が出るほど感動的だった。
美しい映像美や音楽も印象的で、中でも主題歌の「なんでもないや」は、物語の世界観にマッチした切ない曲調で心に残る。
ただ、ストーリーの組み立てに少し無理があった部分も感じた。特に最後の展開は予想がつきやすかった一方で、多少強引なすっきりとした結末に感じられた。
総合的に見て、本作品は多層的なテーマや人間ドラマを描いた感動作であり、主演の北川景子さんや浜辺美波さんの演技も素晴らしかった。ぜひ、一度観ることをおすすめしたい。
以上、『君の膵臓をたべたい』感想レビューでした。
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