『天気の子』を観た感想

ストーリー

物語の舞台は、一見すると現実世界そのもののように見える都市・東京。しかし、この世界には時折突如として、異常気象現象が発生するという特異な性質を持っている。

主人公・森嶋帆高は、家出をして上京し、雨の日を中心に生計を立てている。ある日、彼は都心から離れた小さな島にて、少女・天野陽菜と出会う。

彼女は、神社に向かう途中で遭遇した帆高に手にした神獣・アメの姿を見せ、同時に雨の降る方法を教えてくれた。

お互いに過酷な環境にある二人だが、やがて陽菜の持つ秘密を帆高は知ることになり……。

細部までこだわり、緻密な描写が特徴の『天気の子』。美しい映像美に魅了されること請け合いだ。

帆高の目指す“空が見える場所”や、東京の街並み、陽菜とのピクニックシーンなど、映像が織りなすファンタジックな世界観は見る者をただただ魅了する。

映画『君と100回目の恋』でも起用されたラッドウィンプスの楽曲が、劇中で印象的に使用されている。

物語のテーマにあわせた音楽が、胸に響く瞬間を演出することに成功している。

RADWIMPSによる主題歌「グランドエスケープ」も美しい曲だ。

映画のエンディングでこの曲が流れると、観る者に深い感動を与え、劇場内は前代未聞の静寂に包まれる。

今作品は、細部までこだわった美しい映像美と音楽とともに、感動の物語を体験することができる一本だ。

かつて「君の名は。」を制作し、社会現象を巻き起こした新海誠監督が、自らが切り拓いた世界観を発展させた作品だ。