映画「ジョーカー」レビュー

ストーリー

本作「ジョーカー」は、バットマンの宿敵としても有名な悪役ジョーカーの誕生秘話を描いたサスペンス映画です。

物語は、社会的な不平等を抱える中年男性アーサーが、自分の人生に未来を見いだせずにいる様子から始まります。アーサーは、唯一楽しみにしている仕事を失い、治療に必要な薬の削減にも悩んでいます。

そんな中、彼は無差別殺人の現場で銃を持っているところを目撃され、社会的に追い詰められていく中で、自分がジョーカーと呼ばれる悪党に変身していく姿が描かれます。

主人公アーサーを演じたホアキン・フェニックスの演技は圧巻でした。アーサーが抱える深い内面を見事に表現しており、彼がジョーカーへ変身していく過程も怖ろしいほどのリアリティを感じました。

また、脇役として出演するロバート・デ・ニーロやジョアキム・カルデロンなども、しっかりとした演技を見せていました。

本作の映像は、ニューヨーク市の風景やアーサーが住む街並みなどが美しく描写されており、漠然とした不安感が漂う雰囲気が非常に印象的でした。

また、劇中の音楽も、キャスト陣の演技や演出と見事にマッチしており、物語性を増していました。

本作「ジョーカー」は、ビジュアル的にも音楽的にも非常に高度なエンターテインメント作品であり、訴えかけるメッセージも含まれています。

しかし、残念ながら、一方的な暴力描写や病的な視点など、人によっては受け入れがたい要素も含まれているため、観る際には注意が必要です。

10点満点中、8点と評価します。