ストーリー
今作は、韓国映画界を代表する監督、パク・チャヌクが手がけたサスペンス・コメディである。主人公は貧しいが知恵と行動力に溢れたファミリーである。彼らは、金持ちの家の家政婦や家庭教師を次々と働かせ、居住スペースを安く借り、生活水準を上げていく。しかし、彼らの居住している半地下の家の地下に隠された秘密が、一線を超えた暴力行為へとつながっていく。
映像の美しさ
監督のパク・チャヌクが愛する「対照」という要素が随所に見られる。汚い裏路地と美しい家の中での移り変わり、半地下の狭さと家の開放感、低い床に対して照明の高さ、対照がもたらす刺激的な印象には、思わず息をのむ。
登場人物には深い愛情がある
怪演の先輩俳優、ソン・カンホが演じる父親のような普通の生活が求められる人物と、ハン・ジュンシュが演じる息子のような未完成の生命力のある若者、そして、荒川素子が演じる家政婦が持つ想い。すべての登場人物に深い愛情がほどこされ、特に、ファミリーのプロフェッショナル揃いの仕事ぶりが目映い。
まとめ
パク・チャヌク監督が、異なる階層の人々の利用と暴力を描く衝撃的かつ独創的なサスペンス・コメディである。この映画を観ることで、現代社会に対する批判もあるため、目を背けたくなるシーンも存在する。しかし、美しく壮大な演出、深い人間ドラマがあるため、この映画を見ることで、共感したり自らの人生で考えるキッカケに繋げるのはもちろん、自らに与えられる最も強いメッセージとなる。
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