映画『名もなき古地図』レビュー

あらすじ

古地図屋の大学教授である奥村千里(綾野剛)は、ある日、亡き父から送られてきた謎の古地図を手がかりに、明治時代に失われたとされる貨物列車「アイロン号」の謎を解き明かそうとしていた。彼は、いくつかの手掛かりを頼りに、古い鉱山跡とその地下にある秘密のトンネルを訪れる。そこで、かつて炭鉱夫たちが捨てた謎めいた「掘土(くりつち)」があり、そこには謎の死を遂げた夫婦の墓があった。千里は、ただの古地図の研究であったはずが、自分自身が巻き込まれた、驚愕の真相について知ることになる。

感想

本作は、秘密と陰謀に満ちたミステリー映画として、展開が緻密に計算されている。特に、映像が優美で美しく、奥行きのあるシーンが印象的だ。亡き父との関係性に苦しむ主人公・千里の心理描写が、綾野剛の演技によって、深みを増し、迫真性が増した。
ただ、ラストシーンで、多くの秘密が明かされるために必要だった、必然的に作り出された“展開”に、突然の違和感を感じることがあった。一方で、ラストシーンに向けての盛り上がりは、見る者の興味を引きつけ、没入感を高めた感想がある。

配役、スタッフ

・奥村千里役:綾野剛
・青井アサ子役:蒼井優
・荒木一郎役:小日向文世
・脚本:塩田剛三
・監督:白石和彌


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