「君の膵臓をたべたい」の感想

ストーリー

主人公の高校生・僕(水野昴)は、ある日偶然拾った女子生徒の“僕ちゃん”(山内桜良)と出会う。彼女は進行性の膵臓炎を患っていた。僕は秘密裏に“僕ちゃん”の日記を読み込み、周りの人々が知らない“僕ちゃん”の本音に触れる。やがて、二人は恋に落ちるが、そんな“僕ちゃん”の病状は日に日に悪化していく。

感想

本作は、原作小説ファンからは林宏樹が原作小説を脚本化・監督したことで高い期待を集めた。また、前評判でも映画化されるならば涙なしには見ていられないという評価が多かったため、気になっていた方もいらっしゃるのではないだろうか。

正直言って、本作は完成度が高く、演技力においても十分に見応えがある。実際に、主演の浜辺美波と主人公の吉沢亮の演技によって、彼らが感じる苦しさや悔しさがリアルに伝わってくる。

ただし、映画全体については、悪い印象もある。例えば、時にはセリフが多く、恣意的に移動するため、少々わかりにくいということや、コミカルなシーンと重いシーンとのバランスが悪いという感触もあった。また、ミスティックな部分があり、これも違和感を覚えた部分のひとつだ。

総評

とはいえ、息をするように演じる浜辺美波の演技によって、彼女が抱える恐ろしい病状が感じられる作品だ。恋愛ドラマとしても捉えられることが多いが、彼女の人生の切なさを改めて考えてしまう。ラストシーンの演出も、本作を見た後、胸に残る見事なシーンだった。全体の雰囲気や世界観も非常に秀逸で、どうしても一度は観るべき作品の一つと言えるだろう。


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