映画『君の膵臓をたべたい』レビュー

あらすじ

高校2年生の僕（主人公）は、ひょんなことから同級生である山内桜良と共に、彼女が“自分の膵臓がもうすぐやばくなる”ことを知る。彼女は医者から余命数年と宣告されていた。この事実を知り、僕は彼女との時間を大切に過ごすようになる。

感想

この映画は、原作小説も大人気で、映画も大ヒットを記録した作品である。実は、私自身、原作小説も読んでおり、その中でも映画の表現は深刻さや切なさがよく表現されていたと感じた。

物語は、一見、ラブストーリーのようにも思えるが、その裏には病気という現実が存在する。しかし、作品の中で、感情が起伏するシーンが多く、最後に至るまで涙なしでは見られない。特に、山内桜良を演じる浜辺美波さんの熱演は圧倒的で、観る側を引き込む演技であった。

この映画の見どころの一つが音楽であろう。BUMP OF CHICKENの楽曲「月虹」が物語の途中で流れ、物語と旋律が一体となって感情を高める。また、ラストで流れる美しく繊細な曲も、作品の感動をより深めた。

一方で、作品中に描かれる「夢の扉プロジェクト」という概念には、ちょっと短絡的に感じられた。しかし、この作品の隠れたテーマは「人生を最大限に生き抜くこと」というメッセージであり、それは「夢の扉プロジェクト」を通じて賛同できるものであった。

総評すると、この作品は、ただ単に切ないエンターテインメント作品ではなく、物語の奥に詰まるメッセージが強く残り、多くの人々に共感を呼び起こすと思う作品である。