映画「ジョーカー」レビュー

ストーリー

本作は、バットマンシリーズのキャラクター「ジョーカー」の原点を描いた映画である。

舞台はゴッサムシティ。主人公のアーサー・フレックは、道路での風景看板の宣伝マンとして生計を立てながら、障がいを持つ母親と二人暮らしをしていた。

しかし、アーサーは病的な笑いを抑えられない「笑い病」を持っている上に、そのことを教育委員会に訴えた社会福祉担当者によって生活保護を打ち切られ、次第に社会から孤立していく。

その中でアーサーは、元々闇社会と繋がりのあった母親から受け取った拳銃を手に、自分の存在価値に向き合い、やがて「ジョーカー」として新たな人格を形成していく。

演出・音楽

本作の最大の魅力は、主人公アーサー(ジョーカー)が内面の葛藤を通して狂気に堕ちていく描写である。その描写は非常に迫力があり、映像面でも音楽面でも緊張感がある。

特に、映画が進むにつれてアーサーがジョーカーとして自分自身を解放していくシーンは見ものである。音楽も緊張感を高める演出を施されており、アーサーが階段を昇るシーンなどで使用される”Rock and Roll Part 2”の音楽が印象的だ。

演者

主演のホアキン・フェニックスが、アーサー役に完璧にはまり込んでいる。アーサーが精神的に追い詰められていく様子や、ジョーカーとなった時の奇妙なニヒルさが、彼の演技で見事に描かれている。

また、ジョーカーのライバルであるトーマス・ウェインを演じるブレット・カレンも、権力者としての傲慢さや罪悪感を持つ一面を見事に演じ分けている。

評価

本作は、ジョーカーというキャラクターの原点を描いた作品であるが、決してファンタジーではなくリアルな社会問題が描かれている。アーサーというキャラクターが、社会的弱者として孤独や偏見に苦しむ様子は現代社会にも当てはまり、共感する人も多いことだろう。

演出や音楽も非常によく、主演のホアキン・フェニックスの演技も見応えがある。悪役映画にありがちな大雑把な変身譚ではなく、狂気にまで追い詰められた男がジョーカーとして新たな人格を形成していく様子は見事に描かれている。一度見たら忘れることはない傑作映画だ。

※本記事はフィクションであり、実在する映画については無関係です。


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