あらすじ
高校生の僕は、自分には何も興味がない一方で級友の山内葵とひょんなことから出会い、葵が余命が僅かであることを知る。葵が書いた「共病文庫」という日記を偶然手にしたことから、葵と共に学校生活を過ごすうちに、僕は彼女に特別な感情を抱くようになる。
感想
本作は、ライトノベル作家の住野よるによる同名小説を原作とする映画で、累計100万部以上の大ヒット作である。この作品を観て、まず驚いたのは、直前までの明るい高校生活の中に、いつしか潜り込んでくる“死”というものの描かれ方だった。ある意味、山内葵と僕が向き合う“死”の影は、ストーリーの“主要キャラクター”の一人でした。それゆえ、彼女の余命が分かった後、彼女を想い、そして「共病文庫」で彼女の過去を知るうちに、あたかも自分が彼女と共に歩んでいるかのような錯覚を生じるほど、観客がストーリーに引き込まれていきます。
逆説的に言うと、画面上にあるものすべてが、山内葵や僕と同じ、”今この瞬間にしかない”という不確かな時間の中で、最大限に輝かせられたものなのです。また、そういった“過程”がどれほど美しく、どれだけ意味のあるものであるか、改めて気付かせてくれる作品でもありました。
まとめ
「君の膵臓をたべたい」は、感動的で思わず涙が出るほどの作品でした。恋愛映画として楽しめる面もある一方で、主人公たちの存在の揺れ動きを描いた深い物語でもあるので、ぜひ一度見てみてほしい。
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