映画『ジョーカー』レビュー

ストーリー

『ジョーカー』は、バットマンシリーズのスピンオフ作品として、ホアキン・フェニックスがジョーカーを演じた2019年公開のアメリカ映画である。

本作は、ゴッサム市の衛生労働局員アーサー・フレックが、犯罪を繰り返すジョーカーに変貌していく様子を描いた心理サスペンス作品である。

アーサーは、仕事はできるが社会になじめず、いじめに耐えながら母親と暮らしている。そんな彼の生きる希望は、テレビで活躍するお笑い芸人マレー・フランシスという存在だった。

マレーの番組に出演してスタンドアップコメディアンとしてデビューを果たすが、思わぬ出来事がきっかけでアーサーは人間不信を深め、ジョーカーへと変貌していく。

本作の演出は、独特の映像美と音楽により、暗く陰鬱な雰囲気を表現している。また、撮影手法もシンプルなものを採用し、フェニックスの演技が一層浮き彫りになっている。

フェニックスは、アーサー・フレックの心の奥底にある葛藤を見事に表現し、観客を圧倒させる。アカデミー賞主演男優賞を受賞したのも納得である。

『ジョーカー』は、ジョーカーという怖ろしい存在に変貌していくアーサーの心の変化を描いた、圧倒的な映像美と演技による傑作である。

フェニックスの演技は必見であり、ファンタジー映画とは異なる本作の暗い世界観に引き込まれること間違いなしである。