レビュー：「天気の子」

あらすじ

雨を操る力を持つ少年・帆高は、夏休みになって家出をし、東京で生活を始める。そこで出会った陽菜という少女と共に、彼女が首都高大橋の上で見た「天気の子」という謎の存在を探し始める。しかし、過酷な自然災害とともに、彼らの運命は大きく動き出す。

感想

「君の名は。」の監督・新海誠が手掛けた本作は、美しい映像と共に、自然災害や人間関係、そして青春のテーマを描いた感動的な作品である。

まず、緻密かつ美しい映像美が印象的である。雨や雲、夜景、都市の描写は、まるで絵画のように美しく、その世界観に浸りながらストーリーを見ることができる。また、音楽も物語と一体化しており、映像と合わせて作品を引き立てている。

ストーリーに関しては、自然災害や人間関係を描いた内容は深く、しっかりと描かれている。特に、帆高と陽菜の関係性は、青春らしく、一見単純なものであるが、深い心理描写がされており、感情移入しやすい。また、ラストシーンは「君の名は。」でも印象的だった新海監督の特徴の一つである「感動」をくれる素晴らしいシーンとなっている。

しかし、ストーリーの中で「天気の子」という謎の存在に関しては、長く描写されすぎたため、中盤以降は物語の進行が若干鈍く感じられる場面もあった。また、ストーリーによっては、途中でキャラクター達が人工物を操る場面もあり、若干残念に感じた。

まとめ

「天気の子」は、美しい映像と感動的なストーリーが見どころのアニメーション映画である。自然災害や人間関係を描いた内容が深く、青春らしいキャラクター達が感情移入しやすい。物語に関しては、中盤以降は若干スピードが鈍く感じられる場面もあるが、ラストシーンは涙を誘う素敵なものとなっている。全体的に、新海誠ファンはもちろん、アニメーション映画好きには特におすすめできる作品である。