映画「君の膵臓をたべたい」レビュー

あらすじ

主人公の高校生・僕（きみ）は偶然拾った膵臓がんを患う同級生・山内桜良（さくら）の日記を拝借する。桜良が僕に「共病文化祭」への参加を誘い、そこで桜良が自分と同じく膵臓がんだと知る。そして、入院中の桜良に見舞いに行くようになり、彼女の生き方や思いに触れ、成長していく物語。

感想

本作は、原作小説の人気や映画化が報じられるたびに話題になり、多くの人に愛された作品である。現代社会において普通に死について語ることはタブーとされがちだが、この作品は、死と向き合う若者の姿や、死への恐怖を捨て、生きることの大切さを描くことで、多くの人々に深く共感を呼び起こした。

映画という表現媒体を活かし、原作以上にキャラクターの感情や心情がリアルに描かれている。主人公の僕は、初めは自己中心的であり、自分自身を大事にする傾向がある。しかし、桜良との出会いを通じて、自らを変える勇気や、人との繋がりの重要性を学び、成長していく。また、桜良は、厳しい運命にもかかわらず、自分にできることを精一杯にやり遂げようと、ポジティブに生きる姿が印象的だ。

映像も素晴らしい。特に、二人が巡った夜景の美しさと、桜良の趣味である「お花畑シーン」は、見る者の心を揺さぶるものがある。また、サウンドトラックも感動的なものである。軽快な曲調から切ない曲調まで幅広い楽曲が使用されており、映画の世界観を一層深めている。

まとめ

「君の膵臓をたべたい」は、原作小説同様、描ききれないほどの感動と思索を映像化している。観る人々は、キャラクターの心情や繋がり、劇中の逆境を通じて、生きることの大切さを再確認できるはずである。是非、映画館で観てみることをおすすめしたい。

Written by: 太郎花子