映画レビュー:『ジョジョ・ラビット』

あらすじ

1930年代のドイツ、ナチスの支配下にある町で育った少年ヨハンは、自分自身のイメージで“友達”として描いた架空のヒトラーと一緒に過ごす日々を送っていた。しかし、ヨハンは自身もジュードという“敵”の出自であると知らされ、混乱の中でジュードの少女エルサと出会い、彼女に徐々に惹かれていく。そして、ある日、エルサの家で身ごもった母親と出くわし、命を狙われていることが発覚する。

感想

この映画は、監督・脚本・主演のタイカ・ワイティティが、自身の出自であるマオリ族の感覚を取り入れつつ、ナチスをテーマにしたブラックコメディ映画です。ナチス政権下で彼らが追放・殺害されたジュードの悲しい歴史を、筋書きを断片的で間接的にすることでナチスの非道さを見た目とは反対に強く、笑いを通じて描いています。また、主人公であるヨハンを演じるローマン・グリフィン・デイヴィスは、表情と話し方がとてもかわいく、人を思いやる気持ちが心に残るような演技をしています。映画の終盤には、ヨハンがそれまで架空のヒトラーを信じてたころに思っていた「自分の考えが間違っているかもしれない」という後悔が出てくるのですが、その場面がとても感動的でした。最後は泣いてしまいました。この映画を見て、人間の愚かさや偏見、戦争や殺戮行為の悲惨さを再認識し、同じような過ちを繰り返さないように考えるきっかけになりました。

結論

この映画は、バラエティに富んだ演技や深いテーマ、ユーモアのセンスなど、様々な要素が素晴らしいブラックコメディ映画です。私は自分の感情を扱う手法がうまい作品が好きで、『ジョジョ・ラビット』は自身を殴り返してくれるような、感情的な作品であるため、時間をかけて観ることをおすすめします。この映画を通じて、過去の過ちを孤独な存在する対象としてではなく、自らの過ちとして認める事が重要だと再度考えさせられました。

(レビューは以上です)


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