映画『ジョーカー』レビュー

概要

2019年に公開されたアメリカ映画、『ジョーカー』は、11月には全世界で興行収入が10億ドルを突破し、映画界に大きな影響を与えた。監督はトッド・フィリップス、主演は華々しいキャリアを送るホアキン・フェニックスが務めた。

ストーリー

物語の舞台は、ゴッサム市。社会に裏切られ、孤立無援の状況に置かれた失業中のクラウン・プリンスことアーサー・フレック（演：ホアキン・フェニックス）は、ジョーカーとなる過程を描くドラマである。元々は笑いを届ける職業のピエロとして生計を立てていたアーサーだったが、次第に彼にも精神の崩壊が訪れ始める。彼は一度引き返せない道へ進み始めるのだ。

キャスト

華々しい演技で観客を魅了したホアキン・フェニックス。憎まれ役で、凄惨な犯罪を繰り返す役どころを演じたロバート・デ・ニーロ。そしてアーサーを愛するただ一人の女性としていき場所を与えたのはジュールス・ベク。この三人が作り上げる世界観は、”暴力”、”葛藤”、”哀しみ”の中で揺らめく人間ドラマである。

感想

非常に暗く、人間の心の闇を描いた本作品。しかし、それが映画として完璧に仕上がっている。ホアキン・フェニックスが演じるジョーカーの内面の描写は非常に深い。特に、人々の嘲笑を浴びるところでの一時的な解放感と後に訪れる孤独感を見事に表現している。本作は、絶対に見て損のない作品であり、見た人の心に深い衝撃を与えるだろう。

この映画は、人間の欲望や希望を暴露する。そしてそれら欲望や希望が反映された人々がどのように振る舞うことになるのかを描き出す。結末は、予想外である。現実的な要素と多少のシュールさを含んだ本作は、特定の観客層に訴求するだけでなく、幅広い層に愛されている。