映画『ジョーカー』レビュー

ストーリーの概要

社会の闇に蔓延る憎しみや怒りによって、生きることが辛くなっているアーサー・フレック（ジョアキン・フェニックス）は、劇場のピエロ役として働きながら、日々を送っていた。

しかし、ある日、自分自身が暴力に走り、無差別殺人を犯してしまう。

その事件をきっかけに、アーサーはジョーカーとして誕生し、壊れた人間性の奥深くにあるサディスティックな快楽を楽しみ始める。

そんな彼の行動により、社会は大混乱に陥っていく。

本作の最大の魅力は、演技力の高さである。

主演のジョアキン・フェニックスは、アーサー・フレックからジョーカーへと変貌するプロセスを見事に演じきっている。

憎悪や怒り、そして喜びまでもが体の奥から湧き上がってくる表情や仕草は、観客の心を大きく揺さぶる。

また、映像も見逃せない。

1920年代のニューヨークに近いイメージで描かれた街並みや、不快感や緊張感が漂う色使いは、ストーリーをより深く印象づけてくれる。

『ジョーカー』は、演技力と映像美が光る傑作映画である。

ただし、観客の中には過激な表現が多数含まれるため、不快感を覚える方もいらっしゃるかもしれない。

総合的に評価すると、本作は大変優れた映画であると言える。

ただし、苦手な方は一度見る前に注意する必要があるだろう。