「君の膵臓をたべたい」のレビュー

ストーリー

主人公である高校生の僕が、クラスメイトの脇田と出会うことから物語が始まる。脇田は、前向きに生きる筆記体験日誌をつけていると公言していたが、その実態は手帳に書き込む習慣があるだけで、活字嫌いであることが明らかになる。そして、脇田が自分にだけ秘密を打ち明けたことで、彼女の患っている『膵臓』の病名と余命を知ることになるのだった。

感想

本作は、そのタイトルからわかるように、病気を患う少女との交流を描いた青春映画である。作品の中心にあるのは、患者の心情・その家族の思い・周りの人々の胸の内といった感情を、丁寧に描き出したストーリーで、特に恋愛模様があるわけではない。

これは、純粋に、患者と彼女を取り巻く人々の深い人間ドラマを描いた作品であると言ってよいだろう。そして、映画を観終わった後には、何度も胸がキュッとする瞬間があったことを覚えている。

演技力

この映画では、主演の北村匠海さんが、人気作家の著書を発見した高校生・僕を、丁寧に演じている。一方で、同じく主役の濱崎あゆみさんは、余命宣告を受けた少女・脇田を演じ、大変印象的な役柄を見事に演じきっている。

特に、脇田の演技は、素晴らしいものであった。彼女の病気、そしてその病気による苦悩や葛藤が感じられる、見事な演技力であった。

まとめ

本作は、ティーンエイジャーから大人まで、誰が観ても共感できる映画である。主演の北村匠海さんと濱崎あゆみさんの演技は、見どころの一つであるが、物語そのものが深い人間ドラマになっており、感情移入ができる作品である。

膵臓がんという普段はあまり聞きなれない病気を題材としているが、作中で描かれる患者が抱える悩みや、周りの人々の思いは、誰しもが共感できるものだろう。是非一度観てほしい作品である。