映画『ジョーカー』レビュー

ストーリー

主人公のアーサー・フレック(ジョアキン・フェニックス)は、薬剤師として働く一方でコメディアンの夢も持っている男性。しかし、日々の厳しい現実に翻弄され、心身ともに追い詰められていく。そんな彼がジョーカーとして周囲と戦う様が描かれる。

演出と映像美

監督のトッド・フィリップスの手腕が発揮された一作。ニューヨークを舞台に、音楽や演出が緻密に計算された上で、逆説的に美しく仕上げられている。映画内で使用されている色彩や光の使い方も秀逸で、特殊効果に頼らない渾身の映像美を堪能することができる。

演技

ジョアキン・フェニックスが見事にアーサー・フレックとしての役柄を演じきっている。多様な表情やマネリズム、体の動きにまで至るまで、彼の演技には圧倒的な存在感が感じられる。脇を固めるキャスト陣も秀逸で、一人一人が映画に深みを与えている。

評価

『ジョーカー』は、細部に渡って緻密に計算された作りがされている。その上、それらがすべて凝縮された形でフィルムに表現されている。犯罪と憎悪、愛と美、理解と同情といったテーマを積極的に探求し、人間の内面に切り込んでいく。その結果、観客は共感や感動を抱きつつ、作品に対する深い理解をもたらしてくれる。本作は「映画」でありながら、芸術作品としても十分に認められるものである。


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