『天気の子』レビュー

概要

『天気の子』は、新海誠監督による日本のアニメーション映画である。2019年7月19日に公開され、国内外での興行収入は500億円を突破した。物語は、東京を舞台に夏の季節になぜか止まってしまった天気を巡る、高校生の少年・帆高と天気を操る少女・陽菜のグラフィティラブストーリーである。

ストーリー

帆高は、家族との関係や高校生活に疑問を抱き、東京駅の改札で家出を決意する。そこで、偶然出会った陽菜から「洪水」を起こす天気を操る力を教わり、共に過ごすことになる。2人は、陽菜の家に滞在しながら生計を立て、雨の日は家族のペンション経営を手伝う。しかし、やがて帆高は、陽菜を「神」と呼び、自分のものにしようとするグループに追われる身となってしまう。

評価

新海誠監督の緻密な描写により、東京の街並みや雨の降り注ぐ風景が美しく描かれている。また、帆高と陽菜の掛け合いや心情描写も丁寧に描かれているため、二人の成長が感じられる。ただ、物語の中盤あたりからグループの追跡が入り、ガラリと雰囲気が変わるため、映画全体のバランスがやや不安定に感じられる。しかし、結末に向かって見せる壮大なビジュアルは、観客を圧倒する。物語のテーマである、「悩みを抱える若者たちが、自分の価値を見出す」が青春映画らしく綺麗にまとめられている。

総評

『天気の子』は、新海監督の美学が全面に出た、観ている人を魅了する作品である。失われた夏の季節と、帆高と陽菜の織りなすラブストーリーが織り成す独特の雰囲気は、新海監督作品を知らない人でも楽しめるのではないか。唯一の欠点は、グループの追跡によるバランスの崩れであるが、それでも存分に新海監督が詰め込んでくれた愛着ある世界観を楽しめる作品だ。


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