あらすじ
主人公の僕は、文化祭の準備中にクラスメイトである山内桜良から「膵臓がんで余命が少ない」という事実を告げられる。そこから僕たちは共に過ごすようになり、桜良と出会う前よりも濃密な日々を過ごすようになる。
評価
本作は、原作小説が話題になり、映画化もされたことで多くの注目を浴びた。私が思うに、その注目は十分に過剰と言える。
まず、視覚的には非常に美しく、見た目の印象が強い。全編を通してディレクションや編集が素晴らしいことは間違いない。
しかし、究極的には、全体的に感動的でもなく、深刻でも音楽が鮮烈でもない。話の進展は予測可能で、物語の中核部分は大体前半70分のうちに展開されたように思えた。
また、映画のポスターや予告編が提示するような、苦しみから生まれる非日常的な独り言や出会い、人間ドラマの一瞬一瞬を細かく描写するような場面が、最初のうちはうまく描かれていたと思うが、後半はあまり意味がないような描写や、関係の機微を深めるためのくどい設定のようにも感じられた。
そのため、本作をもう少し深い尺度で見てみると、実際にそれほど深い感情を呼び起こさない可能性があることに気付かされた。
まとめ
『君の膵臓をたべたい』には、視覚的に美しい場面が多いものの、深い感動は生まれにくい。予測可能な展開や役割を果たさない描写もあった。そこで、もし映画館で見る時間があるなら、他にも見るべき映画がたくさんあるので、別の作品がオススメです。
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