『ジョーカー』レビュー

作品概要

『ジョーカー』は、2019年公開のアメリカ映画。監督はトッド・フィリップス、主演はホアキン・フェニックス。バットマンシリーズのスピンオフ作品として注目された本作は、第76回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞している。

ストーリー

主人公のアーサーは、トーキョー・クラウンという仕事で子どもたちの笑いをとるピエロである。しかしある日、彼は仕事をクビにされ、そして次々と彼にとって大切なものを失っていく。そんな彼は、自分を理解してくれる唯一の友人である社会福祉士の手をすり抜けて、狂気に満ちたジョーカーに変貌していく。

演技

本作でホアキン・フェニックスが演じるアーサーは、生きることを諦めかけた男の苦悩、孤独、猜疑心、そして狂気を見事に表現している。とりわけ、精神状態の変化を表現する彼の目には圧倒されるものがある。

映像

本作の映像は、1970年代のニューヨークを彷彿とさせるようなダークな雰囲気が特徴的である。また、アーサーが変貌していくシーンや、彼が大量殺戮を行うシーンなど、血生臭く残酷な描写もあるため、観る者を圧倒する印象を与える。

まとめ

『ジョーカー』は、スーパーヒーロー映画というジャンルからの脱却を図り、暴力や犯罪、社会問題に向き合った作品である。ホアキン・フェニックスの演技や、ダークで圧倒的な映像が印象的である。ただ、本作は精神疾患を持つ人々に対する配慮が十分にされていないという批判もあるため、注意が必要である。