「ジョーカー」レビュー

ストーリー

本作は、一人の男・アーサーがジョーカーとしての誕生を描いた物語である。
アーサーは、社交不安障害を抱えながら、製薬会社の解雇予定者となり、街を支配する巨大企業の影響力によってどん底に追い込まれていく。しかし、母親の隠し事や、出生の秘密が明らかになり、アーサーは自分自身を見つめ直すことに。そして、彼の内なる心の闇がジョーカーとして具現化される。

演技

ジョアキン・フェニックスがアーサー/ジョーカーを陰鬱、恍惚、陶酔、興奮と激しく演じきり、終始見応えがある。彼の持つキャリアの先には、2度のアカデミー賞に輝く実力があることを忘れてしまう。

画面表現

舞台は物語の進行につれて暗く転換していく。メインカラーが黒、深い赤、グリーンの照明表現、時代を意識した街並み、トーンも相まって、こんなにも現実におびえを感じる描写が可能なことに、驚かされる。

総合評価

「ジョーカー」は、深刻な社会問題に目を向けながら、アメコミ映画として、また人間ドラマとしても素晴らしい作品である。演じるアーサー/ジョーカーのこれまでの歴史、背景、人格が細部までしっかり補完され、非常にリアルなものとなっている。見終わった後も、胸に残る映画であった。


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