『天気の子』レビュー

ストーリー

東京を舞台に、天才的な雨天気予報士である主人公・森嶋帆高が、自分だけの世界に閉じこもりながら、雨や晴れを操る力を持つ少女・陽菜と出会い、人々の願いや感情を反映させた「なごり雪」の出現を追いかける物語。

視覚面

アニメーション映画でありながら、細部まで丁寧に描かれた都市の風景や建物、街灯などは圧巻。また、天気により表情が変化する陽菜や、雨の中で飛び跳ねたり滑ったりする帆高たちの動きもリアル。

音楽面

主題歌の「グランドエスケープ」をはじめとしたRADWIMPSによる楽曲は、映像とシンクロして劇的な展開を生み出す。また、物語の鍵を握る浅野いにおによる詩や歌詞も印象的。

心象

物語が進むにつれ、陽菜と帆高の想いの交流や、人々の願いが雨や晴れという形で表れる美しさに感動する。しかし、同時に人間のジレンマや社会問題も描かれ、時には胸が締め付けられる思いもある。

総評

日本のアニメーション界を代表する新海誠監督による『君の名は。』の次なる作品であり、その評価にも引けを取らない傑作。「人の想いや感情がどのような形で現れるのか」というテーマを描きながら、心に残るストーリーと感動的な映像・音楽に包まれた、見応え抜群の作品となっている。