ジョーカー

ストーリー

本作は、DCコミックのヴィラン「ジョーカー」を主人公にした物語である。主人公のアーサー・フレックスは、ニューヨーク風の「ゴッサムシティ」という街で、毎日を素人クラウン・コーポレーションの看板のように笑顔で過ごしていた。しかし、彼は心の中で感じていた孤独や不安、哀しみに耐えかね、やがてジョーカーに変貌していく。

演技・キャスト

ジョーカーを演じたのはジョアキン・フェニックス。心に傷を抱えるアーサー・フレックスを演じきり、無邪気な笑顔とともに、自分と自分の中のジョーカーとの戦いを表現した。他にも、彼を取り巻く人々の演技も素晴らしく、物語を盛り上げている。

映像・音楽

映像は、暗く哀愁を帯びた色彩の中で描かれる。街は汚いし、暴力沙汰が日常茶飯事であり、リアルな描写に作品の世界観が深まる。また、音楽もこの作品には欠かせない。弦楽器を中心とした狂気を表現するような音楽が、ストーリーの雰囲気に相まっている。

総評

本作は、単純な暴力描写やコミカルな演出がないにもかかわらず、暗く哀しい世界観の中で一人の人物がジョーカーに変貌していく姿は、観る者の胸に響くと同時に、彼に共感する人も多かったのではないだろうか。映画に何かを期待する人にはあまり合わないかもしれないが、この作品が持つ芸術性は高く、ジョーカーというキャラクターが複雑で人間味あふれるものであることを表している。