映画レビュー：『シン・ゴジラ』

ストーリー

『シン・ゴジラ』は、2016年に公開された日本の特撮映画です。物語は、東京湾に突如出現した巨大生物・ゴジラの脅威に、政府や自衛隊が奮闘する様子を描いています。

政治家や官僚などの人々が、緊急の危機対策本部を設置し、ゴジラに対する対策を練りますが、その中でも主人公の岩手県知事・沖田は、自分自身の眼で状況を把握し、現場に赴くという大胆な行動を取ります。さらに、国内外からの批判や圧力、情報の遮断など、状況は次第に深刻化していきます。

日本を代表する俳優陣が多数出演しています。主人公の沖田を演じるのは、徳井義実。政治家や自衛官たちを演じるのは、なかでも渡辺謙、役所広司、小林薫、松山ケンイチなどの存在感があります。また、注目の新人女優・有村架純が、情報官を演じ、一定の役割を果たしています。

特筆すべきは、ゴジラのCGイメージです。リアルな質感や迫力、脅威感が強く、そこに演技力やストーリーテリングが合わさります。

本作は、音楽をもたないシーンが多く、緊張感や沈重感を強く出しています。あえて音を落とすことで、現実的な描写と言えます。その一方で、ゴジラを象徴する作曲家・伊福部昭のテーマ曲が、映画のクライマックスで大音量で鳴り響く演出が印象的です。

また、実写の一般人や建物、物品が取り入れられた映像も、現実感を増幅させます。特撮も随所に用いられ、そのクオリティの高さが目立ちます。

『シン・ゴジラ』は、国内外で賞を受賞し、高い評価を得た作品です。2014年のアメリカ映画『GODZILLA』とは、テーマやアプローチが異なる点が特徴であり、日本特有の現実的な危機や対処法も描かれていることが、評価のポイントかもしれません。

ゴジラを長年愛してきたファンにも、新たに魅了される内容であり、日本映画を支持する世界中の観客にも、必見の作品と言えます。