映画「パラサイト半地下の家族」の感想

ストーリー

南国の逆賊国家に分断された韓国が舞台。キム一家は貧困に苦しむ家庭で、ある日、偶然接触した富裕層のパク一家と関係を持ちはじめる。キム家には次々と仕事が舞い込み、生活は一転して豊かになっていくが、それは弱い者いじめに過ぎなかった。やがて、それが導く結末とは？

映画の後半に描かれた豪邸の豪華なパーティーが印象的だった。キム家が潜入することで、面白半分で遊んでいる富裕層たちの非常識な行動が浮き彫りとなり、そのギャップが鮮明になったシーンである。

この作品に出演した俳優陣は、演技力が素晴らしかった。特に、パク一家の雇われのドライバーを演じた崔岷植の佇まいや表情は、人物像を印象づける役割を果たしていた。

音楽は、映画のストーリーに寄り添った演出がなされていた。主題歌の「Soju One Glass」は、韓国の味わい深いお酒であるソジュをテーマにした楽曲で、キム家の不遇な生活を象徴するような哀愁を感じさせる曲だった。

『パラサイト半地下の家族』は、富裕層と貧困層の間の深い狭間を描いた、社会派サスペンスドラマである。人々の欲望や利己心が、社会において起こりうる様々な事件や悪行を生み出すという現代社会である以上、国内はもちろんのこと、国外でも高い評価を受けている傑作映画であると言える。