『君の膵臓をたべたい』レビュー

感想

『君の膵臓をたべたい』は、映画化される前から話題となった小説が原作だ。主人公の「僕」と名前のない女子(桜葉)のシンプルで清々しい恋愛と、物語の終盤に起こる「彼女」の命の危機が、見事に作り上げられている。

ハートフルな学園青春映画と思いきや、劇中で浮かび上がる過去や現在のさまざまな痛みが、どんどん深くせまる展開に。最後には泣くことを決めていた人も、心の中で揺れ動かされること間違いないだろう。

映像の美しさも秀逸。海の色など、わずか数秒のシーンでも思わず息をのませるほどの美しさだ。また、音楽もストーリーと見事にマッチして、感情を引き出す作用がある。

ストーリー

「僕」と「彼女」が、膵臓にある病気を知るきっかけになった出来事。その後、「彼女」から「最後までつきあってくれる?」と告白され、お互いに付き合うことに。普通の恋愛が続いていたが、突然「彼女」から投げかけられる言葉によって、物語は変化する。

「僕」は「彼女」が病気だということは知らずに、自分たちの未来について考える。しかし、「彼女」は手帳に自身の余命を書き込むなど、すでに真剣に向き合っていた。その後、二人が元気に過ごす中で、ある出来事がきっかけで「彼女」は余命があまり残されていないことを、言葉で「僕」に伝える。

ここから、物語は幕を開ける。泣き所が多いのはもちろんだが、そこで描かれる恋愛模様は素晴らしい。また、設定の細かさや演出、音楽、映像など、細部にまでこだわられた点が、この作品を支えていると言えるだろう。

主演俳優

主人公「僕」役の浜辺美波は、小説ファンにも大きな期待をもたれた。出演前から「『君の膵臓をたべたい』にぴったりの役」と絶賛され、その期待を裏切らない演技で観客を魅了した。一方、名前のない「彼女」役を演じた北村匠海が、うまくストーリーを引っ張る重要な役割を果たしている。

感動

エンディングに向けて、ぐんぐん引き込まれる演出。観客は「もう泣きたくない」「泣かないで帰りたい」と思うだろうが、やはり目頭が熱くなってしまう。しかし、後悔すべきは「泣いたこと」ではなく、「見たこと」を、そしてその感動を忘れないことだ。本作は、いい意味で考え方を変えてくれる1本だ。


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