映画「ジョーカー」レビュー

ストーリー

「ジョーカー」は、犯罪化されたゴッサムシティを舞台に、ニューヨーク・ブロンクス出身のアーサー・フレック（ホアキン・フェニックス）が、ストレスや孤独、そして社会的な不平等感から「ジョーカー」としての暴走を始めていく姿を描いた映画である。

キャスト

ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランシス・コンロイ、ブレット・カレン、シェイ・ウィガムなどが出演している。

映像

本作は、薄暗い街並みと哀愁を漂わせる音楽と相まって、非常に独特な世界観を描く。特に、アーサーが「ジョーカー」として暴走するシーンでは、黄金色に輝く灯りと鮮やかな衣装が、彼による混乱をより一層際立たせている。

感想

ホアキン・フェニックスの演技は見事で、彼がアーサーの心の葛藤を上手く表現している。彼が演じるアーサーの変化は、その前触れともいえるクラッシュダンス的なダンスや母親との関係にも表れ、非常に印象的であった。
また、悪の中に弱さを見出すのはジョーカー独自の魅力であり、本作でもアーサーが苦しむ姿が印象的だった。
本作は、劇場版「バットマン」とは違った視点から、ジョーカーの成り立ちを描いている。そのためおおよそわかっているストーリーであっても、見ごたえがあると感じた。

全体的に、「ジョーカー」は、大衆文化のアイコンの一つである「ジョーカー」を、その人物像を深掘りした上で描き、非常にユニークで魅力的な作品となっている。強烈で重く暗い映画であるため、鑑賞する際は心の準備をしておいた方がよい。