映画「グリーンブック」のレビュー

ストーリー

本作「グリーンブック」は、1962年のアメリカを舞台に、黒人と白人の人種差別に立ち向かう男たちの物語である。
主人公のシャーリーは、天才ピアニストであるが、白人社会での演奏活動には多大なる苦労があり、黒人差別にさらされていた。
そんなシャーリーを保護司であるトニーがドライバーとして雇い、アメリカ中を巡る旅を描く。
道中でトニーは、 色々なレストランや宿泊施設でシャーリーが受ける差別を目の当たりにし、シャーリーとの友情を育んでいく。
そして、トニーの努力とシャーリーのタフな精神力により、社会に対する少しずつの変化が表れることになる。

演技

本作の演技も素晴らしい。主人公の2人を演じたマハーシャラ・アリとビゴ・モーテンセンの演技は、とてもリアルで感情移入してしまうほどである。
特にアリは、シャーリーの心情を丁寧に演じきっており、観客に感動を与えるとともに、アメリカの人種差別に対する考え方を、改めて促す役割を果たしている。

映像

本作の映像は、映画館の大スクリーンで観たい作品のひとつである。懐かしく、温かみのある色合いが特徴的で、時代背景もしっかりと描かれている。
また、旅の途中で訪れる様々な場所もリアルで、映画館の中で一緒に旅をしているかのような臨場感がある。

総評

本作は、感動的で社会派的なドラマである。人種差別に対する問題提起とともに、友情を育んでいく物語が展開され、登場人物たちの成長や心境の変化を見せてくれる。また、演者たちも実際に取材や調査を重ね、本作へのプロ意識が高かったことが伝わってくる。
是非一度、映画館で作品を観て、この感動を味わってほしい。