映画レビュー：ジョーカー

あらすじ

アーサー・フレックス（演：ホアキン・フェニックス）は、道化師をしながら生計を立てている男性。彼は原因不明の笑いをふりまき、精神的に不安定な人物であることがうかがえる。ある日、彼は仕事中にヤジによる暴行を受け、心に深い傷を負うことになる。さらに、社会などの外部からも追い詰められ、徐々に自己防衛本能を獲得していく。

感想

本作は、正直に言っておいても問題ないであろう、非常に暗く残酷な映画である。主人公は性格的にも、そして周囲の人々や社会に対する怒りや不信感から、激しく暴力的になっていく。トーンは生々しく、衝撃的だった。見ている私自身も、科学的な問題で起こる不安や人間関係で起こる圧力を感じ、，彼の転落の痕跡、彼が最後に地獄に落ちるさま、そして身近な出来事から暴力を引き出す社会的空気を感じ取ったと同時に、善と悪の境界線が分からなくなるような混沌とした印象を受けた。

その一方で、フェニックスの演技が本当に素晴らしく、彼の心の闇を演じきっている点は高く評価できる。また、映像の美しさも特筆すべきもので、クセがないカメラワークとオーサーサウンド（映像に対する音響演出）に引き込まれていった。

まとめ

「ジョーカー」は、暴力と公平という議論を呼び、社会風刺作品としてもソーシャルメディアを騒がせた映画です。一つの作品に絞って、見えるものを群像に重ね、身に覚えがある観客に衝撃を与える映画です。絶大な印象残留力があり、「ジョーカー」という作品を、これからのハリウッド映画に模倣することが望ましいという結論に到達しました。