映画『ミッドナイトスカイ』レビュー

ストーリー

2077年、地球は壊滅的な状態に陥っていた。天体学者のアーグスト・ロフトーソン（ジョージ・クルーニー）は、南極にある天文台で最後の研究をしていた。そんな彼が、宇宙船を飛ばす資格を持つ唯一の人物であるサリー・ヘルストロム（フェリシア・ジョン＝ファミルア）に、地球に向かう宇宙船にメッセージを送ることに成功する。アーグストは生きていた唯一の人間であり、サリーは地球に帰る前に宇宙船の乗組員たちにその事実を伝えるために旅をすることになる。

評価

本作は、地球に最後の希望を託された人々が、遥か彼方に旅をする群像劇である。監督のクローニャンティは、一つのストーリーを語るために必要な要素をうまくまとめている。特に、重要なのはアーグストとサリーの関係性である。二人が話すときの距離感や、言葉のチョイスが、心を癒してくれる。また、宇宙船内での人間の関係性も興味深いものがある。

映像面も、豪華なキャストが繰り広げるスペクタクルなシーンから、宇宙の無限の広がりを描いたシーンまで、圧巻の迫力だ。また、音楽も、物語に見事にあっており、感動的なシーンに胸を締め付けられるシーンもあった。

彼らが地球に残してきたもの、そして未来への希望が綴られた感動的なシーンには、思わず感涙がこみあげる。人間の生きるということ、そして愛することの大切さを、改めて教えられたような気がした。

総評

本作は、人間の可能性、愛、生命の尊厳など、多くのテーマが内包されている。ストーリーの流れや映像、音楽も印象的で、ここ数年で一番感動的な映画の一つと言えるだろう。