「天気の子」レビュー

あらすじ

東京を舞台に、雨を操る少女・陽菜と彼女を手助けする少年・帆高が織り成す物語。片思い中の陽菜は、弟と母親と暮らす中で、自分が味わった孤独や寂しさを雨と共に他人に伝えようとしていた。そんな陽菜の前に、”神”と名乗る男性が現れる。

感想

本作「天気の子」は、監督・新海誠氏の最新作である。美しい映像、巧みな音楽の使い方、新海誠監督作品でおなじみの描写技法など、ファンから期待された要素は全て詰め込まれた作品となっている。

特に、雨の描写は圧巻であり、登場人物たちが駆け抜ける東京の風景や、鮮やかな夕焼けを背景にしたシーンは、見る者を引き込む美しさであった。また、物語の中で描かれる人間描写も深く、登場人物たちの内面の複雑さや強さ、そして必要としているものを見事に表現していた。

しかしながら、ストーリーについては若干のストレッチが感じられた。また、神と名乗る男性の設定についても、明確な説明がなされなかったため、物語構成に疑問を感じる人もいるかもしれない。

それでも、陽菜や帆高の繊細な表情や感情、季節感あふれる世界観などは、ファンならずとも楽しめる一作である。

まとめ

「天気の子」は、美しい映像と音楽、深みのある人間描写が特徴の、新海誠監督最新作である。ストーリーに若干の疑問やストレッチが感じられるものの、陽菜や帆高ら登場人物の感情の描写が秀逸であり、ファンならずとも楽しめる一作である。