映画『天気の子』レビュー

ストーリー

『天気の子』は、東京を舞台にした青春群像劇である。雨を操る少女・陽菜と、彼女を助ける湿度の高い男子・翔太郎が出会うことから物語は始まる。翔太郎は家を抜け出し、陽菜と一緒に生活することを決める。二人の間には繊細な心の交流が生まれ、恋愛感情が芽生える。

一方で、陽菜の能力を狙う企業や国家機関といった存在も登場する。彼らは、陽菜が持つ力を兵器として利用しようと企んでいたのだ。陽菜が彼らに捕まってしまい、翔太郎は必死に彼女を救い出そうとする。果たして、二人は無事に再会することができるのか、陽菜の能力が人類を救うか、破滅に導くか。それらが物語を彩る。

演出・映像

『天気の子』の演出は、同監督の前作『君の名は。』と同様、非常に優れている。特に、映像面においては、ディテールへの理解が深く、美しさやエキゾチシズムが慎重に調和している。ストーリーの核心を成す雨は、映像表現としても壮大なスケールで描かれており、視聴者を圧倒する力がある。

音楽

本作の音楽は、RADWIMPSによるアルバムが使われている。同監督とRADWIMPSは、前作『君の名は。』でもタッグを組んでおり、相性の良さがうかがえる。ラブソングである「グランドエスケープ」や万華鏡のようなアレンジの「ダイアログのやりとり」が、物語の一層の興行性を引き出している。

総評

『天気の子』は、青春ストーリーとSFを融合させた作品である。美しい映像とRADWIMPSの音楽が融合し、切なく美しい物語を描いている。ストーリー展開に少し無理があるように感じられる場面もあるが、それ以上に、感情移入をすることができる作品である。天気を題材とした近未来SFに興味がある観客には特におすすめである。