『君と100回目の恋』レビュー

ストーリー

本作は、20歳の大学生・麻美と22歳の就職活動中の浩太が、同じ時間を100回繰り返すというタイムループモノのラブストーリー。

ある日、麻美は偶然見かけた男性に心惹かれ、彼に声をかけるが、彼女が話しかけた瞬間に謎の光に包まれ、時間が巻き戻り、同じ状況が繰り返されるという不思議な現象に遭遇する。最初は混乱する麻美だったが、何度も同じ時間を繰り返す中で、自己分析を進め、自分の心を知ることで、恋愛に対しても前向きになっていく。

そして、浩太との出会いを継続的に体験することで、彼への想いが芽生えていく。その一方で、浩太も自分自身と向き合い、「自分が大切にしたいものは何か？」と考えることで、より深い愛情を麻美に対して抱くようになっていく。

この映画は、恋愛を通して人生の成長について描かれた作品である。タイムループモノの恋愛劇は過去にも多く制作されてきているが、本作はそれとは少し趣が異なる。

主人公の麻美は、タイムループが始まってから始めは何もわからない状況から、徐々に自分自身を見つめ直し、浩太に対して前向きな想いを抱くようになっていく。一方、浩太も同じく自己分析を進め、麻美に対する愛情が深まる様子が描かれている。

ストーリー展開はかなり緻密に作られており、どのタイミングでどのような言葉を言うかという演出にも自然な流れがあった。また、セリフだけでなく細かい仕草や背景の変化もきちんと描かれていたため、映画を観ている自分自身も、同じ時を繰り返す麻美と浩太と一緒になって共感できた。

恋愛シーンも思わずキュンとしてしまうような切ないものから、微笑ましいものまで様々で、心地よく観られた。

「君と100回目の恋」は、タイムループモノの中でも、深い愛情と自己分析が描かれた珠玉の作品である。ストーリー展開が緻密で、恋愛に対して前向きな気持ちになれる内容になっている。ぜひ、恋愛映画好きの人は観てみることをオススメする。