映画「君の名は。」レビュー

あらすじ

田舎町の高校生である瀧と、東京で暮らす女子高生・三葉が、気がつけば入れ替わっていることに気付く。やがて二人は、互いに通信手段を模索しながら入れ替わりの秘密を探る中で、望む願いと隠された真実に直面する。

感想

「君の名は。」は、商業映画としての成功という面だけでなく、映画という芸術形式の可能性を広げた傑作であることは間違いありません。

まず、物語の構成が秀逸です。瀧と三葉が入れ替わるという設定は、昔からある一種のトロピックスですが、監督の新海誠がこれを徹底的に踏み込んで展開することで、驚きや感動を生み出しています。瀧と三葉の行動や思考、それを知る人々の心情など、多角的な視点から描かれるストーリーは、何度見ても飽きが来ないという強みがあります。

また、アニメーションとしての完成度が高いことも特筆すべき点です。細かい描写や質感の表現、カットの連打など、”新海誠アニメ”と呼ばれる美しさはそのままに、バラエティに富んだ映像が見事に繋がっています。さらに、RADWIMPSによる主題歌や音楽も映像と見事にマッチし、感動を助長しています。

最後に、瀧と三葉の人間性や思い、それを包む自然や都会の美しさが、物語と共に映画の中に溢れています。映画を観終わった後、長い間彼らのことを考えてしまうような魅力があります。

総評

「君の名は。」は文化現象としての側面が強い作品ですが、それだけでなく美しさと深さが両立しており、一度観た人たちが忘れることなく語り継いでいる作品であると言えるでしょう。

引用元：『君の名は。』は新海誠監督が放つ最高傑作！