映画「天気の子」のレビュー

中学生の少女・陽菜は、家出中の高校生・帆高と出会い、彼の導きで都市部での暮らしを始める。しかし、帆高はある日、陽菜を置いて実家に帰ってしまう。

それから数日後、陽菜は強い力を持つ青年・瑠璃と出会う。彼は天気を自在に操ることができる「天気の子」だった。瑠璃と陽菜は互いに惹かれ合い、瑠璃は陽菜に自分の能力を伝える。しかし、瑠璃には家族の問題があり、様々な出来事が展開していく。

本作は、監督の新海誠氏が手掛けたアニメーション映画としては、過去最高の注目を集めた作品だと言える。

まず、映像の美しさには言葉を失う。新海監督が得意とする都市部の風景描写や、天気が変わる瞬間の神秘的な表現など、細かな部分にまでこだわっており、鑑賞中はただただ圧倒されるばかりだった。

また、音楽も映像と同様に素晴らしい。RADWIMPSの楽曲がストーリーの展開とシンクロするように流れ、感情を引き立てていた。

物語自体も非常に感動的で、主人公たちの成長や家族愛、友情などが描かれている。時にはハートフルで時には切ないストーリー展開は心に響くものがあった。

ただ、本作はラストシーンがやや謎めいているという点が挙げられる。また、ストーリーには都合の良い展開が多いという批判もある。しかし、それでも本作の完成度や作り手たちが込めた想いは伝わり、心に残る作品に仕上がっている。