映画「天気の子」レビュー

ストーリー

主人公の高校生、森嶋帆高は、家庭の事情から家を出て、雨の降る都会へやってきた。そこで彼は、降雨量を自由自在に操る少女、天野陽菜と出会う。陽菜は孤独な存在で、父親を探す旅をしていた。帆高は彼女に惹かれ、天気を変えることができる不思議な力を持つ彼女を手伝おうとする。しかし、彼女の力はやがて大きな災害を引き起こし、帆高が命をけつけることになる。

演出・撮影

監督の新海誠氏が手がけたアニメーション作品であり、鮮やかな色彩と美しい映像美が印象的である。特に、天野陽菜が制御する降雨量の描写は唯一無二のもので、観客を圧倒する。

音楽

音楽はラッドウィンプスが手がけ、劇中で流れるそらジローさんの楽曲も印象的である。特に、「愛にできることはまだあるかい」の楽曲がストーリーに寄り添い、感動的なシーンをより一層盛り上げている。

キャスト

主人公・森嶋帆高役は、本田翼さんが演じ、主人公と陽菜の関係性を丁寧に表現している。また、天野陽菜役は瀧野由美子さんが演じ、陰鬱なところもあるが、常に前向きな彼女を演じている。両名の演技が、物語の核心である帆高と陽菜の関係を深めている。

評価

本作は、新海誠氏の世界観に新しい要素が加わった作品である。美しい映像美と豊かな音楽、そしてストーリーの中に織り込まれた、強い想いが共有できる感動作品である。ただし、ストーリーの展開が若干予想しやすく、また、晴れた空が描かれるシーンが少ないという点が気になるところである。しかし、それでも、愛を題材に描かれた、心に残る映画となっている。