『君の膵臓をたべたい』レビュー

あらすじ

大学生の主人公・僕は、健康体である自分と違い、一緒に病院で検査を受けた同級生の女子・桜葉は、膵臓の病気を抱えていたことを知る。ただの仲良しでもなければ恋人でもない関係であるにもかかわらず、彼女と過ごす時間が楽しく、暖かいものであった。そして桜葉が持っていた「共病文庫」という手帳を手に入れたことから、物語は急展開する。

感想

この映画は、原作小説が大ヒットしたこともあり、とても話題になった作品である。私自身、小説も読んでいたが、映画化されることで、どのように表現されるのか、楽しみにしていた。そして、それ以上に期待を裏切らない作品であった。

まず、主演の浜辺美波さんの演技が素晴らしかった。初めて漫画・小説が原作の作品であるにもかかわらず、彼女は桜葉の繊細で複雑な感情を、見事に表現していた。また、見知らぬ男性に手帳を見られた瞬間の、桜葉の恐怖が、私たちにも伝わり、彼女の置かれた状況をより共感的に理解することができた。

ストーリー展開についても、小説とは異なる部分もあったが、それでも映画版独自のスピード感があり、最後まで飽きることなく見ることができた。特に、主人公・僕の成長が描かれるシーンや、劇中に挿入される桜葉が選曲した楽曲の数々は、私たちの心に直接響くものがあった。

最後に、この作品は恋愛映画であるにもかかわらず、医療界に少しでも興味を持ってもらえるよう、劇中では膵臓がんについても分かりやすく説明されていた。観客に泣かせる展開が多い作品であるが、それ以上に物語から得られる多くの教訓があった。是非、多くの人に鑑賞してほしい。

画像引用元:映画.com


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