「ジョーカー」映画レビュー

ストーリー

「ジョーカー」は、ゴッサムシティを舞台にしたバットマンシリーズのヴィラン、ジョーカーの誕生秘話を描いた作品である。主人公のアーサー・フレック(演: ホアキン・フェニックス)は、ロシアンルーレットのようなオーディション番組の出演を夢見ながら、道端で舞台衣装の品物を持ち歩いて芸を披露する道化師である。健康保険プログラムからの支援が打ち切られ、心身ともに病んだ彼は、苛立ちを募らせていく。やがて街中で発生する暴動を引き起こすジョーカーに変身したアーサー。彼の過激な行動によってゴッサムシティの人々は次々と狂気に陥っていく。

演技・演出

ホアキン・フェニックスの演技は、一歩間違えば空回りしてしまいそうな、緊張感と切迫感に満ちたものであった。彼は、アーサーが情緒不安定に陥るシーンや、変身していく過程でのジェスチャーなど、非常に印象的な演技をしている。トッド・フィリップス監督は、作品の印象的なシーンを一点に集めて、緊張感を高めたり、ドキュメンタリー風の撮影で映画をリアリティに満ちた雰囲気で仕上げたりしている。

評価

「ジョーカー」は、DCコミックスの映画作品の中でも、異彩を放つ作品である。現実世界で起こった社会問題をエッセンスとして取り入れ、ジョーカー誕生の物語を紡いでいる点が、非常に現代的である。ホアキン・フェニックスの演技や、トッド・フィリップス監督の演出によって、相乗効果が生じ、観客を最後まで引き込んでいる。一方で、散漫な描写や、映画によって引き起こされる社会的な問題など、懸念点もある。しかし、ジョーカーたちの無茶苦茶な暴力に圧倒されるような描写は、人間の闇というものを描き出すために必要不可欠だということが映画から伝わってくる。総じて、今年のベスト映画に選ばれるだけの出来栄えだという印象を受けた。

※本記事の内容は個人的な意見であり、一部広告が含まれる場合があります。


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