映画「ジョーカー」レビュー

ストーリー概要

本作は、コミックブック「バットマン」の宿敵「ジョーカー」が主人公の物語である。アーサー・フレック（演：ホアキン・フェニックス）は、ニューヨーク風のゴッサムシティで、誰からも理解されず孤独に生きる男であった。彼は笑い声を抑えられず、職を次々と失っていく。その後、刃物を持った若者に絡まれるものの、自らを守り抜く。それがきっかけで、ジョーカーとしての転機を迎えていく。

演技について

主演のホアキン・フェニックスは、身体を鍛え上げ、30キロも減量して役に挑戦した。ジョーカーとしての演技は、病的なまでにリアルで、見ているこちらも共感を覚えるほどである。彼が装った笑いながらの悲しみ、怒り、混乱などを見事に表現しており、圧巻の演技力が評価されている。

雰囲気や音楽について

全体的に暗く陰鬱な雰囲気が漂っており、「バットマン」と違って、現実的な描写がメインとなっている。緊迫感漂うシーンには、音楽によってプレッシャーが与えられている。また、80年代を思わせるレトロな音楽も印象的である。

感想

本作は、ジョーカーを描いた作品としては異色であり、複雑な感情を抱かせる作品である。主人公の生い立ちや社会との対立に共感できる場面もあるが、怖さや残忍さもまた伝わってくる。演技、雰囲気、音楽が作り出す緊張感とともに、ジョーカーの人間的な一面を初めて知ることができた。終始、注目を集めた一作である。