「君の膵臓をたべたい」についての感想

ストーリー

主人公の僕は、ある日クラスメイトの山内さんが持っている「診断書」を拾ってしまう。その診断書には「末期の膵臓炎」と書かれており、山内さんからは「自分が死ぬ前に一緒に過ごしてほしい」というお願いをされる。

この映画は、その後の僕と山内さんの交流を描いたものである。互いに心を開いていく彼らは、切なくも美しい関係を築いていく。

演出

映像の美しさが際立っている作品だ。季節感や自然の美しさが、映画が流れる東京に対する対比を効果的に高めている。

また、音楽も非常に良く、感情移入を促すかのように物語に浸ることができる。

キャスト

主演の新田真剣佑さんは、初主演にして見事な演技を披露している。また、共演の浜辺美波さんも、山内さんを繊細でありながらも強い女の子として演じており、ふたりの共演によって、この映画には珍しいほどの高い演技力が魅力的である。

感想

本作は、タイトルや見た目からは「ファンタジックなラブストーリー」と思われがちだが、実際は死を意識させることの美しさ、そして、お互いを受け止め、支え合い生きることの大切さが描かれている。

これは、観る人がそれぞれの胸の内に持つ思いを揺さぶるものでもある。そのため、この映画は、ただのエンターテイメントではなく、人生をつくるうえで重要な要素を考えるきっかけのひとつとなる。