映画「ジョジョ・ラビット」のレビュー

概要

「ジョジョ・ラビット」は、戦時下のドイツを舞台に、純粋な心を持った10歳の少年・ヨハンナ・ベットゲラーが、ナチス党員である母親の影響を受け、身の回りで起こる出来事を通じて、人々の本当の姿や、幼い頃に疑問に思っていたことに向き合い、成長していく様子を描いた作品である。

ストーリー

ヨハンナは、自分が生まれ育ったところである町で、ナチス党員として活動している母親に憧れを抱き、自分もナチス党員になろうとするが、繊細で優しい性格の彼は、何かと周りの人々と衝突を起こしてしまう。ある日、誤って手榴弾を使った訓練中に負傷し、療養中に彼は自分の部屋で、かつてドイツ人が隠れていたユダヤ人の少女・エルザを発見する。当初は敵か味方か分からないエルザに対し、ヨハンナは彼女の人間性を知り、共に過ごすうちに彼女と真の友情を育むことになる。

一方、ヨハンナの母親や周りの人々は、ユダヤ人に対して差別的な考えを持ち、彼らを弾圧・迫害するための行動を起こしていく。

キャスト・演技

主人公のヨハンナを演じたのは、若手実力派俳優のロマン・グリフィン・デイビス。彼は、ヨハンナという繊細で幼いキャラクターを、見事に演じきっている。また、エルザを演じたトマシン・マッケンジーも、繊細で優しい雰囲気を持つエルザ役にぴったりとハマり、二人の友情の深まりを見事に演出している。そして、ヨハンナの母親を演じたスカーレット・ヨハンソンは、ナチス党員でありながら、息子を思いやる母親の姿を自然に演じている。

映像・音楽

本作の映像は、戦時下のドイツの建物や街並み、当時の人々の生活などがリアルに描かれており、世界観に浸りきることができる。また、音楽も、ドイツのフォークソングや、ロック、ポップスなどが用いられ、ストーリーをより深く盛り上げている。

評価

「ジョジョ・ラビット」は、ナチスによる差別や迫害について描かれているが、同時に、ヨハンナの成長や、エルザとの友情、それぞれの人物像もしっかりと描かれており、ストーリー全体がバランス良く仕上がっている。また、演技や映像、音楽といった要素も、作品全体を引き立てていると言える。戦争映画やドイツ映画が苦手な人も、本作はぜひ観てほしい。


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