映画「ジョーカー」のレビュー

あらすじ

アーサーという男が、救いようのない暗い世界で生きる中、次第に狂気に陥っていく様を描いた映画です。
彼は元々は道化師のアルバイトをしており、そこで上手くやっていけずに苦しみます。
彼の父親についても、真実を知り、ショックを受け自分自身に抱く憎しみとともに自暴自棄に陥っていきます。
そして、アーサーはジョーカーというペルソナを作り出し、市民達を暴力に陥れていくこととなります。

感想

この映画は、アーサーが狂気に陥る過程を丁寧に描き、彼がどのようにジョーカーに変貌していくのかを見ることができます。
主人公は孤独であり、生きる望みがありません。
彼には誰にも理解されることはなく、彼が狂気に陥る一方で、周りの社会情勢はますます悪化していきます。
ジョーカーは、そのような社会情勢の中で生まれた存在であり、アーサーが上手く生きていけないという事実によって形作られた存在であると思います。
ジョーカーとしてのアーサーの捉え方はよって、様々な見方ができます。
白人至上主義、フェミニズム批判、貧困問題、少年の虐待など、現代社会の問題点が詰め込まれた作品であるという意見もあります。
また、この映画はグロテスクな印象が強く、アーサーの狂気のシーンなどは衝撃的でした。
一方で音楽や美術、演技などの面でも非常に評価が高く、特に主演のホアキン・フェニックスの演技は圧巻でした。

結論

この映画は、狂気に陥った男が歪んだ社会に抗うために生まれた存在を描いた作品です。
ストーリーは悪女に惹かれるダークな男、というテーマはよくあるものですが、この映画ではより暗く深刻なものに仕上がっています。
音楽や演技などの面でも評価が高く、映画として非常に充実した作品となっています。
ただ、グロテスクなシーンやアーサーが陥った精神状態を理解するのが難しいとして、観客から批判されることもあるようです。
ですが、映画というのは人それぞれ見解があるものですし、それがこの作品の面白さの一つでもあります。