映画「天気の子」レビュー

あらすじ

主人公の高校生・森崎千秋（もりさきちあき）は、父を亡くし、家族との仲がうまくいかず、高校を中退して上京していく。そこで彼は雨の日に出会った、自称「晴れ女」の一葉（ひとは）と交流を深め、自分が雨を操ることができることを知る。やがて、二人は東京から離れたとある島で出会い、天気を超えた人間ドラマが繰り広げられる。

評価

「天気の子」は、監督の新海誠が描く青春恋愛物語である。前作「君と彼女と彼女の恋」と同様に、キラキラとした青春を描いている反面、真摯な問題提起をしている点が評価される。

特に、映像面においては、新海監督独特の描写が光る。細かい描写にまでこだわり、登場人物たちの表情や仕草が丁寧に描かれている。また、天気の表現においては、美しさや力強さを掛け合わせ、感情移入度を高めている。

音楽面においても、RADWIMPSの音楽が新海ワールドをより一層引き立てている。主題歌の「グランドエスケープ」は特に、物語のハイライトになっている。

ただ、物語の展開については、新海監督独特の緩やかなテンポで進むため、退屈に感じる部分もあるかもしれない。また、ストーリーの深掘りが足りない点が指摘されるが、新海作品ファンにとっては、それも彼らしいと感じることができるだろう。

まとめ

「天気の子」は、美しくも切実な青春ストーリーである。映像美と音楽、そして物語の問題提起をきちんと描きながら、柔らかくも深い感情を描くことに成功している。新海監督作品が好きな人、青春映画が好きな人には、ぜひ観てほしい作品である。