あらすじ
舞台は、80年代のゴッサムシティ。コメディアンを夢見るアーサーは、生まれながらに持っている病気のせいで、父親を亡くし、母親に虐待されながらも、人々を笑わせることを夢見て生きていた。しかし、彼の未来は暗く、社会の転落者として向き合うことになる。一方で、市長選挙が行われ、富豪であるトーマス・ウェインが立候補する。アーサーは、偶然にも自分の実の父親はトーマス・ウェインであり、父親から疎まれたことを知る。やがて、彼は“ジョーカー”として生まれ変わり、ゴッサムシティに混沌をもたらしていく。
感想
この映画は、主人公のアーサーがジョーカーに生まれ変わるまでの、非常に暗く不安定な人生を描いた作品である。アーサーは、社会に翻弄されながら、どんどん狂気に取りつかれていく様子が徐々に描かれ、観客は彼の心の闇に引き込まれていく。また、狂気を孕んだアーサーと、ウェイン家の影の部分が交差することで、ジョーカー誕生までの流れは非常に効果的に描かれている。
演出面も素晴らしく、ハンカチのシーンや、スタジオ54のシーンなど、様々なアイデアが盛り込まれている。また、主演のホアキン・フェニックスが演じるアーサー/ジョーカーは、表情や声色など、細かな演技が印象的である。特に、ラストのダンスシーンは、彼の狂気を存分に表現した唯一無二のシーンとなっている。
全体的に暗い雰囲気が漂う本作だが、暴力的なシーンなども多く、13歳未満の子供は鑑賞を控えた方が良いと思われる。
評価
この映画は、狂気に取りつかれた主人公の人生を描いた非常に暗く、重厚な作品である。演出や主演俳優の演技など、細かな部分までこだわり抜かれた映画であり、ジョーカーの誕生までの流れを追いながら、彼の心の闇に引き込まれること間違いなしである。評価は10点中9点。
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