映画レビュー：ジョーカー

ストーリー

ジョーカーは、コメディアンのアーサー・フレックがクラウンプリンス・オブ・クライムに変貌していく過程を描いたサイコロジカルスリラー。

キャスト

ジョーカー役-ホアキン・フェニックス
滞在者のソーシャルワーカー役-ジョー・リー・バーグ
アーサーの母親役-フランシス・コンロイ

レビュー

ジョーカーは、人間の心の闇と社会の非情さを深く掘り下げた作品である。ホアキン・フェニックスは圧倒的な演技力でアーサーの変貌ぶりを見事に表現した。彼の痛々しい表情や身体の動きは、見ているこちらにまで苦痛を与えるほどである。さらに、アーサーが精神的に追い詰められていく過程は、観客を緊張感に包み込んで離さない。また、映像面も暗く陰鬱な雰囲気で統一されており、まるでゴミ捨て場のような街並みや、アーサーが陥る容赦のない現実は、見ていて息が詰まりそうになる。しかし、その一方で彼の行動には”どこか”抵抗を感じ、彼の手が染まっていく理由にひきこまれる。そして最後に起こる、アーサーがジョーカーになる瞬間には、誰もがビックリするような気持ちが湧き上がってくるだろう。

総評

ジョーカーは、同じような作品が多い現在でも、それを超越する存在感を放っている。社会的なテーマにも触れ、さまざまな感情を煽り、観客を惹きつける。当然、過激な描写も含まれており、心身をケアしながら鑑賞する必要がある。だが、それを覚悟すれば、必ず何かを得ることができる映画である。