映画「ミッドサマー」のレビュー

概要

「ミッドサマー」は、2019年にアメリカ合衆国で公開されたホラー映画である。監督・脚本はアリ・アスター。ストーリーは、スウェーデンの孤立した村で開催される祝祭に参加するアメリカの学生たちが、次第に悪夢のような出来事に巻き込まれていくというもの。

評価

本作は、壮大なスケールで描かれる奇妙な世界観が特徴的である。青空に広がる壮大な風景、複雑に絡み合う儀式の数々、そして群衆がまるで一つの生命体のように動き出す独特な演出など、全体的に異様な雰囲気が漂っている。音楽も非常に印象的で、物語をさらに深化させる役割を果たしている。

また、主人公とその恋人たちの心理描写も緻密かつ丁寧に描かれており、シリアスなストーリー展開を支えている。演技も、アイザック・ヘンプステッド・ライトやフローレンス・ピューなど若手実力派たちが充実したものとなっている。

しかし

一方で、物語の中心にある祭りの意味や背景がわかりづらいという声もある。また、グロテスクな描写も多く、苦手な人にとっては見ざるを得ない箇所も存在する。あくまでホラー映画であるため、終始陰鬱な雰囲気に包まれている点についても、観客によってはしんどく感じるかもしれない。

総評

本作は、奇妙で異様な雰囲気が魅力的なホラー映画となっている。ストーリーの細部にも手が込んでおり、まるで謎解きのような楽しみも存在する。ただし、体調の優れない人は観るのを控えた方が良いかもしれない。最後の最後まで不穏な空気に包まれた映画体験を求める人にはおすすめの作品である。