概要
「ジョーカー」は、DCコミックスに登場する「バットマン」の宿敵である「ジョーカー」を主人公に据えた映画である。2019年の公開以降、物議を醸す話題作として知られている。
ストーリー
舞台は1970年代のゴッサムシティ。主人公アーサーは、職場での不運や、家族との関係の悩みを抱えながら、コメディアンを目指している。しかし、彼が住む社会は貧困と抑圧の中で生きる人々が多く、彼もまた虐げられ感じていた。
そんな中、彼は嫌がる上司から解雇され、更には医療保険のカットによって精神治療を受けることができなくなってしまう。精神的に追い詰められたアーサーは、次第に憎しみや怒りを抑えきれなくなっていき、やがて「ジョーカー」として自らの存在意義を見出していく。
印象的な点
本作の最大の魅力は、主人公アーサーがジョーカーとなるまでの心の変化が、緻密かつ演出的に描かれている点である。アーサーの精神状態が崩れていく様子を、カメラワークや色彩、音楽などを使って表現しており、観る者を圧倒的な臨場感で包み込む。
また、本作は「ジョーカー」を主人公としたことで、これまでのハリウッド映画にあった「正義」と「悪」の分かれ目が描かれる方法とは異なる、現代文化と社会を描いた意味深い作品となっている。
あらすじの発表や公開後の物議
本作は2019年のヴェネツィア国際映画祭にてプレミア上映され、監督のトッド・フィリップスが主演のホアキン・フェニックスと共に高い評価を受けた。しかし、映画に描かれる社会問題や、暴力表現が社会問題に追い打ちをかける可能性などから、公開前から批判が殺到した。
公開後には、テキサス州エルパソ市で起こった銃乱射事件を受け、映画館側が安全面を考慮して「ジョーカー」を上映しないようにする動きがあった。また、映画の物語が似ているとされるコミック「The Killing Joke」の作者も、映画の上映を批判する声明を発表した。
まとめ
「ジョーカー」は、「バットマン」シリーズとは一線を画す、暗い社会を描いた作品である。ホアキン・フェニックス演じる主人公アーサーの変化が、圧倒的な臨場感を持って描かれており、映画としての完成度も非常に高い。一方で、本作を上映することで、社会問題に対する考え方が悪影響を与える可能性があるという議論も出ており、物議をかもしている。
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