映画『ジョーカー』の感想レビュー

ストーリー概要

本作は、バットマンの宿敵として有名なジョーカーの誕生秘話を描いたサスペンス・サイコスリラー映画です。

主人公アーサー・フレックスは、道化師として働きながら、母親と二人暮らしをしています。しかし、社会的弱者であるアーサーは、様々な差別や迫害に直面し、そのストレスから徐々に狂気に陥っていきます。それが後に彼を、ジョーカーとして誕生させる過程となっていきます。

演技

主演のホアキン・フェニックスは、この役を務めるために15kg痩せて、アーサーの痩せ細った体型を再現しました。そして、彼の演技は見事なもので、アーサーの心底から湧き上がる憤りや悲しみ、狂気などの感情を見事に表現しています。また、脇役陣もしっかりと演技しており、物語の舞台となるゴッサム市の陰鬱な雰囲気をより一層引き出していました。

メッセージ

本作には、社会に対する批評やメッセージが含まれています。アーサーがジョーカーになるまでの過程で、彼が直面する様々な社会的問題や差別、不公平な扱いなどが描かれています。そして、彼が徐々に狂気に陥っていく様子を通じて、社会が抱える問題や、弱者に対する配慮の不足などに対して、考えさせられます。

音楽・映像

本作の音楽を担当したのは、デンプシー・トループ氏です。彼は、ギターとヴォーカルを担当するバンドのメンバーでもあります。映画自体も、どこかアングラで荒々しい雰囲気を持っていて、彼の音楽とともに、その世界観をより一層深めていたと思います。

映像面については、カメラワークが印象的でした。アーサーが街で一人歩きをするシーンなど、様々な角度から撮影されており、彼の内面を表現するのに一役買っていました。

まとめ

本作は、バットマンシリーズの宿敵ジョーカーの誕生秘話を描いた作品ですが、単に正義と悪、ヒーローと悪役の対立が描かれるだけではなく、社会的弱者や差別、不公平な扱いなどをテーマにした、深い考えを呼び起こすストーリーでした。そして、主演のホアキン・フェニックスの演技が、この物語をより深く、切り拓いていました。音楽や映像の演出も、その世界観と相まって、本作を完璧な作品に仕上げていました。